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ダッシュボード内のすべてのチャートの設定を指定する 🔗

ダッシュボード上のすべてのチャートを同じフィルター、時間範囲、またはチャートの表示解像度で揃える必要があるという状況は、多くあります。

  • トラブルシューティング

    時系列データを使用した根本原因分析の最初のステップの1つは、パターンや傾向をハイライトするために、データをさまざまなディメンションに沿ってスライスして切り分けることです。これは、適切なディメンション、プロパティ、またはタグを使用して、ダッシュボード上のすべてのデータをフィルタリングすることで実行できます。

  • 類似したダッシュボードの効率的な作成

    ある環境で利用している監視の設定を別の環境へ複製したい場合があるでしょう。関連するメトリクスにディメンションを追加し、ダッシュボードを保存することで、これを実現できます。

  • 同じダッシュボードを使用して、フリート全体のメトリクスの表示やそのサブセットの選択を実行する

    一部のダッシュボード (例えば、内蔵のAmazon Web Services EC2ダッシュボード)では、Splunk Observability Cloudと統合されているAWSアカウント全体のインスタンス総数、タイプ別のインスタンス数などが表示されます。この同じダッシュボードを使用し、適切なフィルターを適用することで、例えば特定のリージョンやアベイラビリティゾーンのサブセットだけを表示することができます。

ダッシュボード上のすべてのチャートに設定を適用するには、すべてのダッシュボードとチャートにある「オーバーライド」ナビゲーションバーを使用して設定を指定します。チャート内であれダッシュボード内であれ、ここで指定した値は、ダッシュボード上のどのチャートで指定された個別の値よりも優先されます。

すべてのチャートとダッシュボード上で、「オーバーライド」バーを使用して、フィルター時間範囲チャートの解像度 を指定することができます。「オーバーライド」バーには、1つまたは複数のダッシュボード変数も含まれる場合があります。詳細については、ダッシュボード変数 を参照してください。

「オーバーライド」バーで変更を加えた場合は、Save または Save as を使用して、変更したダッシュボードを保存できます。以前の設定に戻すには、Reset をクリックします。

フィルター 🔗

ダッシュボードのチャートは、さまざまな基準に基づいてフィルタリングできます。この機能により、データの関連するサブセットのみを入力したオンデマンドのダッシュボードを作成できます。フィルターには、ディメンションプロパティ、または タグ を使用できます。ディメンションとプロパティは、キーと値のペアです。

フィルター フィールドをクリックすると、ドロップダウンリストに使用可能なオプションが表示されます。キー(ディメンションまたはプロパティ)を選択すると、キーにコロン(:)が付加され、そのキーで選択可能な値のリストが表示されます。また、sf_tags と入力すると、表示中のダッシュボードに関連するタグのリストが表示されます。使用したいタグがわかっている場合は、直接入力することもできます。

1つのフィルターに複数の値を選択した場合、それらの値はOR演算子でまとめられます。複数の異なるフィルターを追加した場合、異なるフィルターはAND演算子でまとめられます。

まだデータ送信を開始していないディメンションを使用してフィルターを指定できます。フィルターとして使用したいディメンションと値を入力し、Enterキーを押すだけです。そのディメンションのデータが受信され始めると、ダッシュボードに指定したフィルターがかかります。

注釈

すべてのオーバーライドと同様に、ダッシュボードフィルターを指定する際にチャートビルダーでチャートを表示している場合、そのチャートを保存して閉じると、ダッシュボード上のすべてのチャートにフィルターが適用されます。

ここで適用したフィルターは、プロット線で指定されたフィルター のすべての競合を上書きします。

許可するデータを選択する 🔗

フィルター設定の上にカーソルを置くと、ドロップダウンメニューにアクセスできることを示すキャレットが表示されます。キャレットをクリックし、ドロップダウンメニューからオプションを選択して、指定したプロパティが受信データに適用されるかどうかに基づいて、フィルターの適用方法を指定します。

例えば、aws_region:us-east-1 というキー値をフィルター設定として指定します。次のいずれかを実行できます:

  • フィルター条件に一致するデータのみを許可する(デフォルト)

    • 条件に一致しないデータは結果から除外されます。

    • このプロパティを含まないデータも結果から除外されます。

    • この場合、aws_region の値が us-east-1 であるデータのみが結果に含まれます。

  • フィルター条件に一致するデータ、または aws_region が欠落しているデータを許可する

    • 受信データに指定したプロパティが含まれている場合、条件に一致しないデータは結果から除外されます。

    • 受信データに指定したプロパティが含まれていない場合、そのデータは結果に含まれます。

    • この場合、 aws_region の値が us-east-1 であるデータ、ならびに aws_region のプロパティを含まないデータが結果に含まれます。

複数の条件(ANDまたはOR)を使用したフィルタリング 🔗

複数のフィルターを指定することができます。複数のタグ、ディメンションキー、プロパティキーを選択した場合、Splunk Observability Cloudは選択されたフィルターの共通部分、つまりブール型ANDを使用します。

また、単一のディメンションキーまたはプロパティキーに複数の値を選択することもできます。この場合、Splunk Observability Cloudは(単一のキーに対して)選択された値の集合、つまりブール型ORを使用します。

例えば、以下の2つのフィルターは次のように解釈されます:( aws_regionus-east-1 OR aws_regionus-west-2 )AND aws_instance_type がc3.2xlarge

複数フィルターの例。

特定の条件を除外してフィルタリングする(NOTフィルターを作成する) 🔗

結果から除外したいディメンション、プロパティ、またはタグを指定することもできます。これを行うには、フィルターフィールドに感嘆符(!)を入力して、ブール型NOTを表します。感嘆符(!)を入力すると、フィルタリングオプションのリストが表示されます。リストからオプションを選択することで、選択した項目と一致する項目を除外するということの指定になります。

前の例の続きとして、以下の2つのフィルターを使用した場合は、次のように解釈されます:( aws_regionus-east-1 OR aws_regionus-west-2 ) AND aws_instance_type がc3.2xlargeではない

除外によるフィルターの例。

データテーブルからのフィルタリング 🔗

チャートのデータテーブルを表示している際にフィルターを追加することもできます。データテーブルに関する詳細は、「データテーブル」タブを見る を参照してください。

データテーブル内のディメンションにカーソルを合わせると、アクションメニュー(⋯ )アイコンが表示されます。

  • 指定した値のデータのみが表示されるようにビューをフィルタリングするには、メニューアイコンをクリックし、Filter を選択します。対応するフィルターが「オーバーライド」バーに追加されます。

  • NOTフィルターを作成して、指定した値を持つデータがビューから除外されるようにするには、メニューアイコンをクリックし、Exclude を選択します。NOTフィルターを表す感嘆符(!)がフィルタートークンに表示されます。

時間範囲 🔗

ダッシュボード内の各チャートは、チャート作成時に選択された時間範囲をX軸に表示します。

注釈

単一値チャートとリストチャートは、時間範囲ではなくタイムスタンプを表示します。

「時間範囲」セレクターで値を指定するか、マウスを使っていずれかのチャート内の時間範囲をハイライトすることで、ダッシュボード内のすべてのチャートの時間範囲をオーバーライドできます。詳細は [時間範囲セレクター]を使用して時間範囲を選択する を参照してください。

すべてのオーバーライドと同様に、チャートビルダーでチャートを表示している際に時間範囲を指定すると、指定した時間範囲は、チャートを閉じたときに、ダッシュボード上のすべてのチャートに適用されます。

ここで指定した時間範囲は、「チャートオプション」タブにあるデフォルトの時間範囲より優先されます。詳細は デフォルトの時間 を参照してください。

チャートの表示解像度 🔗

ダッシュボード上でチャートを見ると、どのチャートでも、チャートタイトルの右側に、チャートの解像度と呼ばれる、各データポイントが表す時間の長さが表示されます。「オーバーライド」バーの チャート解像度 セレクターを使って、この解像度を上げたり下げたりすることができます。

この機能は、異なるユーザーが同じチャートの2つのビューを比較する場合に特に便利です。ユーザーは解像度セレクターを使用して、同じ解像度で同じチャートを表示している可能性を高めることができます。また、同じチャート解像度を指定することで、同じダッシュボード上にあるチャート間の値の比較も容易になります。

オーバーライドが設定されていない場合、ダッシュボード上の各チャートはデフォルトの解像度で表示されます。この解像度は、特定のチャートのさまざまな要因によって異なります。

注釈

注意事項

  • 解像度を高く設定しても、ダッシュボード上のすべてのチャートが同じ解像度になるとは限りません。一部のチャートはすでに可能な限り最も細かい解像度になっている可能性があり、その場合、ダッシュボードのチャート解像度の設定を上げても、それらのチャートには何の効果ももたらしません。

  • 単一値チャートとリストチャートは常にネイティブ解像度で表示され、チャート解像度の設定の影響は受けません。

  • チャート解像度のコントロールはチャートの視覚エフェクトにのみ影響し、ディテクターやアラートには影響しません。

  • チャート解像度のコントロールは、チャートビルダーでチャートを表示している際にも使用できます。すべてのオーバーライドと同様に、チャートビルダーでチャートを表示している際に解像度を指定すると、指定した解像度は、チャートを閉じたときに、ダッシュボード上のすべてのチャートに適用されます。

詳細は、チャートデータの解像度 を参照してください。

最大遅延値 🔗

「チャートオプション」タブを使用して個々のチャートに最大遅延値を設定するだけでなく、ダッシュボードに最大遅延値を設定することもできます。すべてのダッシュボードのオーバーライドと同様に、ダッシュボードの最大遅延値はダッシュボード上のすべてのチャートに適用され、個々のチャートの最大遅延設定よりも優先されます。

  1. ダッシュボードのアクションメニュー(⋯ )から、Dashboard Info を選択します。

  2. Max Delay フィールドをクリックし、ドロップダウンメニューからオプションを選択するか、秒または分単位で値を入力します。最大15分までの値を入力できますが、5分を超える値は推奨されません。

  3. Save をクリックします。

選択した設定は、ダッシュボードの「オーバーライド」バーと、誰かがダッシュボードでチャートを開いたときに表示されます。

オーバーライドを解除するには、以下の手順に従います:

  1. チャートを開いている場合は、チャートを閉じてダッシュボードに戻ります。

  2. 「オーバーライド」バーに表示されている Max Delay の値をクリックして、「ダッシュボード情報」タブを表示します。

  3. Reset to default をクリックします。

  4. Save をクリックします。

これで、最大遅延のオーバーライドオプションが「オーバーライド」バーに表示されなくなります。個々のチャートに設定された最大遅延値が適用されます。

最大遅延の詳細については、遅延したデータポイント を参照してください。

ダッシュボード変数 🔗

ダッシュボード変数を使用すると、頻繁に使用するフィルターをダッシュボードに固定することができ、どのディメンションやプロパティを使用するべきかを推測する手間がなくなります。ダッシュボードには複数のダッシュボード変数を含めることができます。ダッシュボード変数を使用して適用されたフィルターは、個々のチャートにドリルダウンする際にもデフォルトで保持されるため、トラブルシューティングのワークフローがより効率的になります。

ダッシュボードグループ内のダッシュボード間を移動すると、あるダッシュボードのダッシュボード変数に対して行った選択は、同じダッシュボード変数を持つ他のダッシュボードに反映されます。この機能により、ダッシュボードグループ内のあるダッシュボードから別のダッシュボードに移動する際に、コンテキストを維持することができます。

ダッシュボードに変数を追加するには、ダッシュボードのアクションメニュー(⋯ )から Dashboard Variables を選択します。

注釈

Dashboard Variables が表示されない場合は、表示中のダッシュボードに対する書き込み権限がないか、内蔵ダッシュボードにいる可能性があります。書き込み権限の詳細については、Splunk Infrastructure Monitoringの読み取り権限および書き込み権限 を参照してください。内蔵ダッシュボードの詳細については、内蔵ダッシュボード を参照してください。

表示中の特定のダッシュボードのダッシュボード変数を作成、編集、または削除できるモーダルウィンドウが表示されます。現在使用中のダッシュボード変数がない場合は、どのフィールドにも値が入力されていない「無題」の変数が追加されていることがわかります。以下のセクションでは、各フィールドの使用方法について説明します。

プロパティ 🔗

Property フィールドをクリックして、ドロップダウンメニューに表示されるキーのリストの中から選択するか、キーの名前を入力して、使用するディメンションキーまたはプロパティキーを選択します。sf_tags と入力することもできます。この入力により、ユーザーは指定したタグでダッシュボードをフィルタリングできます。

エイリアス 🔗

変数にラベルを指定します。ここに入力したテキストはダッシュボードに表示されます。

説明 🔗

ダッシュボード変数に説明を追加すると、指定したエイリアスのマウスオーバーテキストに表示されます。

デフォルト値と「値は必須」の設定 🔗

Default value フィールドをクリックすると、可能な値のリストがドロップダウンメニューに表示されます。デフォルトで使用するディメンション値またはプロパティ値を選択できます。

  • このダッシュボードをフィルターなしで使用したい(つまり、フィルターを適用しなくてもダッシュボードが有用である)が、ダッシュボードに到着した際に特定のフィルターが適用された状態にしたいという場合は、Default value フィールドに値を追加し、Value for variable is required の横のボックスのチェックを外したままにします。

  • このダッシュボードをフィルターなしで使用し、デフォルトでフィルターを適用したくないという場合は、Default value フィールドを空白にし、Value for variable is required の横のボックスのチェックを外したままにします。

  • ダッシュボードでフィルターを常に強制的に使用する場合は、Value for variable is required のボックスにチェックを入れます。デフォルト値の指定は任意です。

候補と候補の制限 🔗

場合によっては、特定のプロパティ値またはディメンション値がダッシュボードのドロップダウンリストで上位に表示され るようにしたいことがあります。これらの値を選択するには、Suggestions フィールドをクリックし、必要な値をそれぞれ選択します。他の値は依然としてリストに表示されますが、選択した値より下に表示されます。値を並べ替えるには、候補にカーソルを合わせると表示されるアイコンをクリックしてドラッグします。

候補として指定した値の下に他の値を表示させるのではなく、指定した値だけをドロップダウンリストに表示させたいという場合があります。これを行うには、前述のように Suggestions フィールドで必要な値を選択して並べ替え、Restrict suggestions to predefined list の横のボックスにチェックを入れます。 結果のリストには、あなたが候補として指定した値のみが含まれます。

適用先の指定 🔗

変数条件をダッシュボード上のすべてのチャートのすべてのプロットに適用するかどうかを選択できます。

  • すべてのチャートのすべてのプロット(デフォルト)

    ダッシュボード変数の設定は、すべてのチャートのすべてのプロットにフィルターとして適用され、ダッシュボードの「フィルター」オプションと同じように動作します。ダッシュボードには、指定したプロパティを送信しフィルター条件に一致するメトリクスのデータのみ表示されます。

    この設定を使用する一般的なシナリオは、変数条件を満たすデータだけに焦点を当てたいために他のデータはすべて非表示にしたい、という場合です。

    注釈

    データを非表示にするため、ダッシュボードにはいくつもの空白のチャートが生じる可能性があります。

  • <プロパティ>を含むフィルターを持つプロットのみ

    ダッシュボード変数の設定は、そのプロパティのフィルターを持つプロットにのみ適用されます。「フィルター」オプションと同様に、プロットが aws_availability_zone の値でフィルタリングされている場合、aws_availability_zone:US-east-1 に設定されたダッシュボード変数が、チャートの表示においてそのフィルターを上書きします。

    ただし、「フィルター」オプションとは異なり、この変数は、そのプロパティのフィルターを持たないプロットには適用されません。これらのプロットは、フィルターが適用されていないかのようにダッシュボードに表示されます。

    A common scenario this setting is when you have, for instance, two charts, each with a plot that shows the mean of a metric that has the aws_availability_zone property. You want one chart to always show the mean aggregated across all zones, while in the other chart, you want to be able to use a dashboard variable to drill down to a single zone. In the latter chart, you add a filter for aws_availability_zone:* (or an OR filter that contains multiple zone values). When the dashboard variable is applied, the filter in that plot is 「replaced」 by the specified availability zone, so the chart displays values only for that zone. However, because no filter is applied to the plot in the first chart, the mean across all zones is still displayed.

ダッシュボードに戻り、ダッシュボード変数フィールドにカーソルを置くと、その変数がすべてのチャートに適用されることを示すツールチップが表示されるか、ダッシュボード上でハイライトされたいくつかのチャートとともに別のメッセージが表示されます。後者の場合、ダッシュボード変数がそれらのチャートに適用されているのは、そのチャート内の少なくとも1つのプロットが、そのダッシュボード変数のプロパティに一致するフィルターを持っているためです。

データの許可 🔗

変数条件が、フィルターで指定したプロパティを送信していないデータを表示するかどうかを選択できます。このダッシュボードのダッシュボード変数がデフォルト値である「 aws_regionus-east-1 」を使用するように設定されていると仮定すると、このオプションは以下のように実装されます。

  • フィルター条件に一致するデータのみを許可する(デフォルト)

    • 条件に一致しないデータは結果から除外されます。

    • このプロパティを含まないデータも結果から除外されます。

    • この場合、aws_region の値が us-east-1 であるデータのみが結果に含まれます。

  • フィルター条件に一致するデータ、または aws_region が欠落しているデータを許可する

    • 受信データに指定したプロパティが含まれている場合、条件に一致しないデータは結果から除外されます。

    • 受信データに指定したプロパティが含まれていない場合、そのデータは結果に含まれます。

    • この場合、 aws_region の値が us-east-1 であるデータ、ならびに aws_region のプロパティを含まないデータが結果に含まれます。

ダッシュボードに戻り、ダッシュボード変数フィールドにカーソルを合わせると、許可したデータに基づいてどのようなデータが表示されているかを知らせるツールチップが表示されます。

注釈

この設定は、適用先の指定 で指定したオプションに基づいて表示されるすべてのデータに適用されます。言い換えれば、Apply to はフィルターがチャートに対してどの程度広く適用されるかを指定し、Allow data はフィルターを適用するデータのセットを指定します。

ダッシュボード変数の保存と使用 🔗

変更が完了したら、Save をクリックしてダッシュボードに戻ります。

適用されたフィルターの値を変更するには、トークン化されたフィルター名をクリックして編集するか、x をクリックして削除し、可能な値のリストから選択します。変数が必須の場合は、x をクリックしてもフィルターは削除されず、値を1つ指定する必要があります。

このページは 2023年06月05日 に最終更新されました。